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東京地方裁判所 昭和60年(特わ)2551号 判決 1986年2月20日

本店所在地

東京都品川区西五反田一丁目二六番七号

カノウビル四階

豊機商事株式会社

右代表者代表取締役

鄭徳周

国籍

韓国

住居

東京都品川区上大崎四丁目五番二六号三-四〇五

会社役員

鄭徳周

一九一九年一二月一三日生

国籍

韓国

住居

埼玉県上尾市柏座三丁目七番一六号

会社員

鄭載図

一九四二年二月二八日生

右の者らに対する各法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官友枝眞卿出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

一  被告人豊機商事株式会社を罰金一七〇〇万円に、被告人鄭徳周を懲役一年に、被告人鄭載図を懲役一年にそれぞれ処する。

二  被告人鄭徳周、同鄭載図に対し、この裁判確定の日から三年間それぞれの刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人豊機商事株式会社(以下「被告会社」という)は、東京都品川区西五反田一丁目二六番七号カノウビル四階に本店を置き、遊技場(パチンコ店)等の目的とする資本金三〇〇万円の株式会社、被告人鄭徳周は、被告会社の代表取締役として同会社の業務全般を統括しているもの、被告人鄭載図は、被告会社の取締役として同会社の営業全般を統括していたものであるが、被告人鄭徳周、同鄭載図の両名は、共謀の上、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、売上を除外するなどの方法により所得を秘匿した上

第一  昭和五五年一二月一日から同五六年一一月三〇日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が一八七五万七四六五円(別紙(一)修正損益計算書参照)あったのにかかわらず、同五七年二月一日、東京都港区高輪三丁目一三番二二号所在の所轄品川税務署において、同税務署長に対し、その欠損金額が二七六万一二六九円で納付すべ法人税額はない旨の虚偽の法人税確定申告書(昭和六〇年押第一五九三号の1)を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額六九一万七九〇〇円(別紙(三)ほ脱税額計算書)を免れ

第二  昭和五六年一二月一日から同五七年一一月三〇日までの事業年度における被告会社の実際所得金額が一億一五〇九万四九七九円(別紙(二)修正損益計算書参照)あったのにかかわらず、同五八年一月三一日、前記品川税務署において、同税務署長に対し、その欠損金額が一二一万一七七七円で納付すべき法人税額はない旨の虚偽の法人税確定申告書(前同押号の2)を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額四七三七万九四〇〇円(別紙(三)ほ脱税額計算書参照)を免れ

たものである。

(証拠の標目)

一  被告人鄭徳周、同鄭載図の当公判廷における各供述

一  被告人鄭徳周の検察官に対する昭和六〇年五月七日付、九月九日付各供述調書

一  被告人鄭載図の検察官に対する五月二七日付、九月三日付各供述書

一  収税官吏作成の次の調査書

売上調査書

給料手当調査書

租税公課調査書

諸会費調査書

雑費調査書

収入手数料調査書

受取利息調査書

支払利息調査書

繰越欠損金調査書

仕入調査書

地代家賃調査書

未納事業税認定損調査書

減価償却費調査書

雑費収入調査書

一  登記簿謄本二通

一  押収してある法人税確定申告書二袋(昭和六〇年押第一五九三号の1、2)

(法令の適用)

一  罰条

1  被告会社

各法人税法一六四条一項、一五九条一項(判示第二の罪につきさらに一五九条二項)

2  被告人両名

各法人税法一五九条一項、刑法六〇条

二  刑種の選択

被告人両名につきいずれも懲役刑選択

三  併合罪の処理

1  被告会社

刑法四五条前段、四八条二項

2  被告人両名

刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(重い判示第二の罪の刑に加重)

四  刑の執行猶予

被告人両名につきいずれも刑法二五条一項

(求刑 被告会社につき罰金二、〇〇〇万円、被告人両名につき各懲役一年)

(裁判官 田尾健二郎)

別紙(一) 修正損益計算書

豊機商事株式会社

自 昭和55年12月1日

至 昭和56年11月30日

<省略>

別紙(二) 修正損益計算書

豊機商事株式会社

自 昭和56年12月1日

至 昭和57年11月30日

<省略>

別紙(3) ほ脱税額計算書

(1) 自 昭和55年12月1日

至 昭和56年11月30日

豊機商事株式会社

<省略>

(2) 自 昭和56年12月1日

至 昭和57年11月30日

<省略>

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